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2015年8月

2015年8月 8日 (土)

第407回 大阪眼科集談会に出席しました。(2)

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6席 「進行性の網膜外層壊死がカリニ肺炎発症前にみられた腎移植後のサイトメガロ網膜炎の一例」

小川 昭吾先生(大阪市立大)

腎移植後に後極部に非典型的な萎縮を認め、その後、急性サイトメガロウイルス網膜炎とカリニ肺炎を来した症例の報告です。免疫が低下している症例に非典型的な網膜萎縮を来した場合には日和見感染に十分な注意が必要であることが示唆されました。 

7席 「Uveal effusion syndromeにおける網脈絡膜の光干渉断層計による観察」

杉本 八寿子先生 (関西医大)

Uveal effusion syndromeの陳旧期と活動期の網脈絡膜をEDIOCTにて観察した報告です。陳旧期には網膜と脈絡膜が菲薄化していました。活動期には脈絡膜は肥厚し、外層では脈絡膜中大血管の拡張によると思われる低反射、内層では脈絡膜毛細血管板が圧排されたことによると思われる高反射がみられました。この所見はuveal effusion syndromeでは強膜が厚いために脈絡膜中大血管が拡張すると毛細血管板が圧排されやすい事によると考察されていました。 

8席 「結節性硬化症に併発した増殖性網膜症に対して硝子体手術を施行した一例」

根元 栄美佳先生(大阪医大)

結節性硬化症に併発した増殖性網膜症に対して硝子体手術を施行し、線維血管膜を除去したところ、滲出性病変は軽快したとの報告でした。線維血管膜の成因については、網膜の星状神経膠細胞由来の結節性過誤腫によるが、結節性硬化症に続発する網膜血管異常の関与も否定できないとの議論がありました。 

9席 「滲出性網膜剥離を生じた後、急速な転帰を辿った悪性リンパ腫の一例」

小林 崇俊先生(大阪医大)

初診時に胞状滲出性網膜剥離を認め、全身検索をしたところびまん性大細胞Bリンパ腫があり、その後急速に全身状態が悪化し死亡の転帰をとった症例です。胞状滲出性網膜剥離の原因検索のため蛍光眼底造影を施行したところ、フルオレセイン蛍光眼底造影では多数の点状過蛍光とそれに続く色素貯留を認め、ICG蛍光眼底造影では中期〜後期に過蛍光斑を認めたのと事でした。 

10席 「アフリベルセプト投与中に黄斑円孔を生じたポリープ状脈絡膜血管症の一例」

大池 慶子先生(関西医大)

黄斑円孔に対して硝子体手術を施行したとのことでした。黄斑円孔の成因については、術中には網膜硝子体の異常な癒着を認めなかったため、硝子体注射による硝子体の変化が関与していると考えることが出来るのことでした。 

特別購演 「硝子体手術の術前・術中・術後」

堀口 正之先生(藤田保健衛生大学)

術前評価としてはNew aniseikonia testを用いた網膜前膜患者の大視症の評価、字多数視力表による黄斑円孔患者の視機能評価を紹介されていました。術中の工夫としては、テノン囊下針を用いて球後針を筋紡錘内に誘導する経結膜的球後麻酔、毛様体扁平部まで観察することの出来る超広角レンズシステム、黄斑円孔に対するinverted ILM、切開創が閉鎖しにくい症例に対するコラーゲンプラグを紹介されていました。術後炎症に対する点眼については、NSAID単独では術前の前房フレア値が高い症例のコントロールは困難であり、リンデロン単独ではCMEが発症しやすくなるとのことでした。特発性網膜前膜では患眼・僚眼ともに術前の前房フレア値が正常に比べて高値であるとのデータが興味深く思えました。

2015年8月 7日 (金)

第407回 大阪眼科集談会に出席しました。(1)

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1日に第407回大阪府眼科集談会に出席しました。今回は第1席から聞くことが出来ました。以下、講演の印象を書いてゆきます。おかしなところがありましたらコメントをいただければ幸いです。

1席 「涙道手術教育用トレーニングモデルの開発」
小島 啓尚先生(多根記念眼科病院)
有用なウレタン樹脂製の3D涙道モデルを紹介されていました。涙道内視鏡操作の練習に有用とのことでした。

2席 「球状水晶体の診断に前眼部光干渉断層計が有用であった一例」
米本 由美子先生(八尾徳洲会総合病院)
球状水晶体は水晶体が厚いためピロカルピン点眼により瞳孔ブロックを起こし、また毛様小帯が脆弱なため散瞳剤すると水晶体が前房へ亜脱臼するため、急激な眼圧上昇を来す恐れがあるそうです。本症は隅角閉塞に強度近視を伴うが、眼軸長の延長や近視性の眼底変化がみられない点が特徴的であるとのことです。このような症例では球状水晶体の有無を確認する必要があり、そのためには前眼部OCTによる水晶体前面の形状の把握と、眼軸長の測定が有用であるとのことでした。

3席 「緑内障眼におけるSAPSWAPの長期経過比較」
野本 裕貴先生(近畿大)
通常の静的量的視野検査(standard automated perimetry :SAP)と黄色背景に青視標を用いた静的量的視野検査(short wavelength automated perimetry :SWAP)の両方を用いて緑内障患者を長期間経過観察した報告です。SWAPは極早期緑内障患者の一部で視野異常を検出したものの、長期間の経過観察における有用性については検討の余地があるとのことでした。

4席 「緑内障で経過観察中に片眼の急激な視力低下を来した形質細胞腫の一例」
井上 智美先生 (大阪大)
緑内障の管理をしていたところ、片眼の急激な視力低下を来した症例の報告です。既往歴に骨の孤立性形質細胞腫があったとのことです。初診時には患眼では高度の視野狭窄と中心フリッカー値の低下を認め、脂肪抑制MRIでは眼窩先端部に占拠性病変を認めたとのことです。視力低下が進行したため、脳神経外科にて占拠性病変を摘出したところ、形質細胞腫を認めたため、骨の形質細胞腫の転移と考え、血液内科に化学療法を依頼したとのことです。高度の視機能低下を来たす眼窩悪性リンパ腫ではびまん性大細胞性B細胞リンパ腫があげられますが、その鑑別にあたっては形質細胞腫を念頭に置かなければならないとの印象を受けました。

5席 「眼底異常を機に肺癌が発見された二症例」
岩橋 千春先生(住友病院)
一例目は視力低下で発症し、急激に増大した転移性脈絡膜腫瘍で、全身検索により肺門部の扁平上皮癌を認めた症例でした。二例目は後極部に色素異常を認め、眼底自発蛍光は低蛍光となり、蛍光眼底造影ではwindow defectを認めました。癌関連疾患のひとつであるdiffuse uveal melanocytic proliferationと考えられ、全身検索をしたところ、この症例も肺門部の扁平上皮癌を認めました。diffuse uveal melanocytic proliferationはまれであるとされていますが、本年4月の第405回大阪眼科集談会でも大阪大学から報告がありました。ひょっとしたら本症はそれほど稀ではないのかも知れません。

続きは後日アップロードする予定です。   

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