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学会・勉強会

2015年12月13日 (日)

第409回 大阪眼科集談会に出席しました。

今回は特に興味深かった口演をご紹介いたします。

第12席 「増殖糖尿病網膜症に対する27ゲージ小切開硝子体手術の成績」

大島 祐介先生(高槻市)
近年、網膜硝子体手術は急速に進歩しています。大島先生は昨年市販が開始された27ゲージ硝子体手術システムの開発に携わった先生です。先生は重症糖尿病網膜症に対する27ゲージ小切開硝子体手術の成績を紹介されました。器具が精密になったためにこれまでより繊細な操作が可能になり、眼に対する負担も小さくなった点が印象的でした。

特別講演 「iPS細胞による網膜細胞治療」
高橋 政代先生(理化学研究所)
iPS細胞の臨床応用における第一人者である高橋先生がiPS細胞による網膜細胞治療の現状について講演されました。iPS細胞の利用には一年近くの期間ときわめて高度な実験技術が必要であると説明されました。広く臨床応用されるためには越えるべきハードルがまだまだあるとの印象を受けました。

2015年8月 8日 (土)

第407回 大阪眼科集談会に出席しました。(2)

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6席 「進行性の網膜外層壊死がカリニ肺炎発症前にみられた腎移植後のサイトメガロ網膜炎の一例」

小川 昭吾先生(大阪市立大)

腎移植後に後極部に非典型的な萎縮を認め、その後、急性サイトメガロウイルス網膜炎とカリニ肺炎を来した症例の報告です。免疫が低下している症例に非典型的な網膜萎縮を来した場合には日和見感染に十分な注意が必要であることが示唆されました。 

7席 「Uveal effusion syndromeにおける網脈絡膜の光干渉断層計による観察」

杉本 八寿子先生 (関西医大)

Uveal effusion syndromeの陳旧期と活動期の網脈絡膜をEDIOCTにて観察した報告です。陳旧期には網膜と脈絡膜が菲薄化していました。活動期には脈絡膜は肥厚し、外層では脈絡膜中大血管の拡張によると思われる低反射、内層では脈絡膜毛細血管板が圧排されたことによると思われる高反射がみられました。この所見はuveal effusion syndromeでは強膜が厚いために脈絡膜中大血管が拡張すると毛細血管板が圧排されやすい事によると考察されていました。 

8席 「結節性硬化症に併発した増殖性網膜症に対して硝子体手術を施行した一例」

根元 栄美佳先生(大阪医大)

結節性硬化症に併発した増殖性網膜症に対して硝子体手術を施行し、線維血管膜を除去したところ、滲出性病変は軽快したとの報告でした。線維血管膜の成因については、網膜の星状神経膠細胞由来の結節性過誤腫によるが、結節性硬化症に続発する網膜血管異常の関与も否定できないとの議論がありました。 

9席 「滲出性網膜剥離を生じた後、急速な転帰を辿った悪性リンパ腫の一例」

小林 崇俊先生(大阪医大)

初診時に胞状滲出性網膜剥離を認め、全身検索をしたところびまん性大細胞Bリンパ腫があり、その後急速に全身状態が悪化し死亡の転帰をとった症例です。胞状滲出性網膜剥離の原因検索のため蛍光眼底造影を施行したところ、フルオレセイン蛍光眼底造影では多数の点状過蛍光とそれに続く色素貯留を認め、ICG蛍光眼底造影では中期〜後期に過蛍光斑を認めたのと事でした。 

10席 「アフリベルセプト投与中に黄斑円孔を生じたポリープ状脈絡膜血管症の一例」

大池 慶子先生(関西医大)

黄斑円孔に対して硝子体手術を施行したとのことでした。黄斑円孔の成因については、術中には網膜硝子体の異常な癒着を認めなかったため、硝子体注射による硝子体の変化が関与していると考えることが出来るのことでした。 

特別購演 「硝子体手術の術前・術中・術後」

堀口 正之先生(藤田保健衛生大学)

術前評価としてはNew aniseikonia testを用いた網膜前膜患者の大視症の評価、字多数視力表による黄斑円孔患者の視機能評価を紹介されていました。術中の工夫としては、テノン囊下針を用いて球後針を筋紡錘内に誘導する経結膜的球後麻酔、毛様体扁平部まで観察することの出来る超広角レンズシステム、黄斑円孔に対するinverted ILM、切開創が閉鎖しにくい症例に対するコラーゲンプラグを紹介されていました。術後炎症に対する点眼については、NSAID単独では術前の前房フレア値が高い症例のコントロールは困難であり、リンデロン単独ではCMEが発症しやすくなるとのことでした。特発性網膜前膜では患眼・僚眼ともに術前の前房フレア値が正常に比べて高値であるとのデータが興味深く思えました。

2015年8月 7日 (金)

第407回 大阪眼科集談会に出席しました。(1)

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1日に第407回大阪府眼科集談会に出席しました。今回は第1席から聞くことが出来ました。以下、講演の印象を書いてゆきます。おかしなところがありましたらコメントをいただければ幸いです。

1席 「涙道手術教育用トレーニングモデルの開発」
小島 啓尚先生(多根記念眼科病院)
有用なウレタン樹脂製の3D涙道モデルを紹介されていました。涙道内視鏡操作の練習に有用とのことでした。

2席 「球状水晶体の診断に前眼部光干渉断層計が有用であった一例」
米本 由美子先生(八尾徳洲会総合病院)
球状水晶体は水晶体が厚いためピロカルピン点眼により瞳孔ブロックを起こし、また毛様小帯が脆弱なため散瞳剤すると水晶体が前房へ亜脱臼するため、急激な眼圧上昇を来す恐れがあるそうです。本症は隅角閉塞に強度近視を伴うが、眼軸長の延長や近視性の眼底変化がみられない点が特徴的であるとのことです。このような症例では球状水晶体の有無を確認する必要があり、そのためには前眼部OCTによる水晶体前面の形状の把握と、眼軸長の測定が有用であるとのことでした。

3席 「緑内障眼におけるSAPSWAPの長期経過比較」
野本 裕貴先生(近畿大)
通常の静的量的視野検査(standard automated perimetry :SAP)と黄色背景に青視標を用いた静的量的視野検査(short wavelength automated perimetry :SWAP)の両方を用いて緑内障患者を長期間経過観察した報告です。SWAPは極早期緑内障患者の一部で視野異常を検出したものの、長期間の経過観察における有用性については検討の余地があるとのことでした。

4席 「緑内障で経過観察中に片眼の急激な視力低下を来した形質細胞腫の一例」
井上 智美先生 (大阪大)
緑内障の管理をしていたところ、片眼の急激な視力低下を来した症例の報告です。既往歴に骨の孤立性形質細胞腫があったとのことです。初診時には患眼では高度の視野狭窄と中心フリッカー値の低下を認め、脂肪抑制MRIでは眼窩先端部に占拠性病変を認めたとのことです。視力低下が進行したため、脳神経外科にて占拠性病変を摘出したところ、形質細胞腫を認めたため、骨の形質細胞腫の転移と考え、血液内科に化学療法を依頼したとのことです。高度の視機能低下を来たす眼窩悪性リンパ腫ではびまん性大細胞性B細胞リンパ腫があげられますが、その鑑別にあたっては形質細胞腫を念頭に置かなければならないとの印象を受けました。

5席 「眼底異常を機に肺癌が発見された二症例」
岩橋 千春先生(住友病院)
一例目は視力低下で発症し、急激に増大した転移性脈絡膜腫瘍で、全身検索により肺門部の扁平上皮癌を認めた症例でした。二例目は後極部に色素異常を認め、眼底自発蛍光は低蛍光となり、蛍光眼底造影ではwindow defectを認めました。癌関連疾患のひとつであるdiffuse uveal melanocytic proliferationと考えられ、全身検索をしたところ、この症例も肺門部の扁平上皮癌を認めました。diffuse uveal melanocytic proliferationはまれであるとされていますが、本年4月の第405回大阪眼科集談会でも大阪大学から報告がありました。ひょっとしたら本症はそれほど稀ではないのかも知れません。

続きは後日アップロードする予定です。   

2015年6月17日 (水)

第406回 大阪眼科集談会に出席しました。(2)

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続きです。

6席 「網膜血管腫増殖悪化前のOTC所見」
壷井 秀企先生(大阪市大
軟性ドルーゼンが多発し、僚眼に加齢黄斑変性による円盤病変を伴っている症例に生じた初期網膜血管腫増殖のOCT像の報告です。網膜内顆粒層に高反射を生じその後12ヶ月で進行したとのことでした。 


7 「網膜と網膜色素上皮過誤腫のOCT所見」
松山 真弘先生(関西医大)

combined hamartoma of retina & RPEの症例です。OCTにて網膜は肥厚して全層で層構造が消失し、RPEは肥厚し、脈絡膜は菲薄化し、脈絡膜反射は増大していたとのことです。RPEと脈絡膜の所見を除いては既報の病理所見とほぼ同様でした。教科書的には病巣の拡大はみられないが、実際には病巣の拡大することもあるため、中心窩の傷害には注意する必要があるとの指摘がありました。

8席 大阪大 小林 礼子先生
「無症候性網膜剥離で漿液性網膜剥離か裂孔原性網膜剥離かの診断に苦慮した1例」
虹彩毛様体炎と眼圧上昇を伴う無症候性網膜剥離の1例です。網膜剥離が進行しているのにもかかわらず、蛍光眼底造影では滲出性変化が増悪しないため、強膜バックリングと網膜冷凍凝固術を施行したところ軽快を得たとのことです。眼圧上昇はSchwartz-Matsuo症候群によると考えられたとのことでした。網膜剥離の診断には強膜圧迫を併用した双眼倒像鏡による眼底精査が重要であるとの指摘がありました。


9 高槻市 大島 佑介先生
「裂孔原性網膜剥離に対するクリニックベースでの日帰り小切開硝子体手術の成績」
2014
年度に診療所で日帰り小切開硝子体手術を行い、3ヶ月以上経過観察できた裂孔原性網膜剥離のcase seriesの報告です。初回復位率は94%で大学病院などに比べても遜色のない成績でした。成績を向上するためには患者と家族に対する教育と、術直後のうつむき位による黄斑部網膜下液の排除が重要であるとのことでした。

10席 大阪医大 田尻 健介先生
「重篤な両眼視力低下をきたした角膜フリクテンの1例」
尋常性痤瘡を背景に生じ角膜穿孔を合併した角膜フリクテンの1例の報告です。Propionibacterium acnesの関与が考えられたため、ニューキノロン系点眼剤とセフェム系点眼剤を併用し、ステロイドの内服を使用したところ炎症が沈静化したとのことでした。

11 多根記念眼科病院 井上智之先生
「非典型的角膜上皮病変を呈したzoster sine herpete4症例」
治療に抵抗する非典型的角膜上皮病変を網羅的PCRにより検索したところ帯状ヘルペスウイルスが検出された4症例の報告です。治療に抵抗する角膜上皮病変に対しては常に帯状ヘルペスウイルスを念頭に置く必要があるようです。

特別購演 滋賀医大 村木早苗先生
「先天色覚異常の診療」
先天色覚異常を診断するためには仮性同色表(石原式など)で検出し、色相配列検査(パネルD-15)で程度判定するので実務上は十分である。検査する際には電球色の照明は不適である。先天色覚異常の患者には、幼児では色について厳しく問い詰めずさりげなく教えるなどの配慮が必要である。また、年長児では色覚異常を自覚し、色だけで判断するのを避けるなど日常生活状の工夫が必要であることを焼き肉の焼き加減を例に取り解説された。また進路を決める際には色の判別が重要である職業を避ける必要がある。


 

 

2015年6月10日 (水)

第406回 大阪眼科集談会に出席しました。(1)

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6月6日に第406回大阪府眼科集談会に出席しました。今回は大1席から聞くことが出来ました。

以下、講演の印象を書いてゆきます。おかしなところがありましたらコメントをいただければ幸いです。

 

第1席 「治療後長期間生存している悪性視神経膠腫の1例」

藤原 望先生 (関西医大)

突然の高度な視力低下で発症した症例です。MRIでは球後から視交叉に及ぶ視神経の腫脹を認めたとのことです。脳外科にて頭蓋内の腫瘍を、眼科で眼窩内の腫瘍を摘出し、病理で検索した結果は退形成星細胞腫でした。放射線療法とテモゾロミドを使用し、長期生存を得たとのことでした。報告例が世界的にも少なく予後不良な疾患で長期生存を得た貴重な症例でした。


第2席 「Sticky eyelid syndromeの臨床像と原因についての検討」

北口 善之先生(大阪大)

自覚的には「めがしょぼしょぼ」し、開瞼時に下瞼が上瞼に引っ付いて持ち上がるSticky eyelid syndromeの臨床的特徴についての検討です。下眼瞼牽引筋腱膜の弛緩は必ず伴うのに加えて、重症例では上眼瞼下垂を伴うとのことでした。重症度に応じて術式を変えれば手術成績が向上するのでは、と考えられました。


第3席 「2-step Bending Dacryoendoscopeの有用性について」

三村 真士先生(大阪医大)

眉弓が高いなど従来型では挿入が困難な例に対応するために開発された涙道内視鏡を紹介されていました。


第4席 「結膜炎症状で初発した眼窩蜂巣炎の1例」

平木 翔子先生(近畿大)

結膜炎症状で初発し、眼球運動障害を伴った眼窩蜂巣炎の報告です。全身的に大きな問題はなく初感染巣が不明だったとのことです。非典型的な眼球運動障害では眼窩病変に十分な注意を払う必要があるようです。

 

第5席 「涙管チューブ挿入術後のアレルギー性涙管炎に対するシクロスポリン点眼液の効果」

松浦 峻行先生(大阪医大)


涙管チューブに対するアレルギーにより起こり、アトピー性皮膚炎に合併しやすいアレルギー性涙管炎に対する治療の報告です。これまでに報告されていたステロイド軟膏を使用しても治りにくい症例にシクロスポリン点眼有用であったとのことでした。


続きはこちらです。

2015年5月 3日 (日)

第119回 日本眼科学会総会に出席しました。(2)

4/17にはシンポジウム 14 「Preperimetric Glaucomaのサイエンス」を聴講しました。

神戸大の金森先生は、専門家による無赤色光写真読影とOCTによる緑内障の検出について解説し、現在のOCTの限界と無赤色光写真読影の重要性を強調されていました(S14-3)。

金沢大の大久保先生は、Preperimetric Glaucoma(以下PPG)症例のOCTで見いだされる網膜神経線維層欠損は緑内障には特異的ではなく、その鑑別診断のためにはOCTによる経過観察が有用であると述べていました(S14-1)。

東京大の朝岡先生は緑内障性視野異常の判定基準として広く用いられているAnderson-Patellaの基準に該当しないPPG症例でも、網膜感度を詳細にチェックすることにより極早期の視野異常とその悪化を検出する事が可能であると示されましたS14-2

東北大の志賀先生はタフルプロスト点眼薬投与後の治療反応性と予後についての前向き観察研究の中間解析の結果を紹介し、タフルプロスト点眼薬の点眼後に眼循環が改善したPPG 症例では、12ヶ月治療期間中、長期に安定した血流改善作用を有することが示されました(S14-5)。

埼玉医大の庄司先生は広帯域レーザー光源を用いた高解像度 OCT を用いることにより、PPG症例ではBruch膜開口部と篩状板前面との傾斜角の変化や篩状板前面の局所的な構造変化を検出できることを示されました(S14-5)。


2015年4月27日 (月)

第119回 日本眼科学会総会に出席しました。(1)

416日〜19日に第119回 日本眼科学会総会に出席しました。以下、興味深かった講演の感想を書いてゆきます。

O1−173
「視神経脊髄炎関連疾患の視神経炎未発症例における網膜視機能および形態の検討」
秋葉 龍太朗先生(千葉大)
視神経炎を伴わない抗APQ4抗体陽性脳脊髄炎患者の後極部をOCTで検索したところ網膜外層が薄くなり、マイクロペリメトリーで網膜感度が低下していた、とのことでした。病態について活発な議論がありました。

O1
091
「開放隅角緑内障の網膜神経節細胞関連網膜層の厚さと視野感度の関係 病期別解析」
新家 眞先生(東京大)
視野中心部の感度と網膜内層厚の関係を早期群と進行群で比較した研究です。進行群では早期群に比べて網膜内層厚が菲薄化しても感度は低下しにくいとのことでした。その理由として進行群では網膜神経節細胞自身もしくは中枢による視機能の補償が強いのではないかと考察されていました。

私は視機能の補償は早期群では保たれているが進行群では破綻しているのでないかと思っていたので、興味深く拝聴しました。

O1-093「神経節細胞数の変化による緑内障進行評価の可能性」
泉端 佐枝子先生(香川大)
O1-097正常眼圧緑内障における病期別神経節細胞数の評価」
 木村 泰朗先生(上野眼科医院)
網膜神経節細胞数についての口演が2題ありました。網膜神経節細胞数とは患者の年齢、乳頭周囲網膜神経線維層厚とハンフリー視野計のMDから残存網膜神経節細胞数を推定するというもので、2012年にMedeirosらが発表したものです。このパラメータの臨床的意義が今後どうなっていくのか興味深いところです。

続きは
こちら

2015年4月18日 (土)

第405回 大阪眼科集談会に出席しました。(3)

続きです。


特別講演 「原発性眼内悪性リンパ腫
大黒 伸行生(JCHO大阪病院)

 原発性眼内悪性リンパ腫では、典型的には濃い硝子体混濁と境界明瞭な網膜下浸潤を認め、再発時には棘状の角膜後面沈着物を認め、診断には硝子体腔のIL-10/IL-6の定量が有用とのことでした。治療の第一選択はメトトレキセートの硝子体注射がよく用いられているが、角膜障害の合併が問題だそうです。リツキシマブの硝子体注射は、再発が多いこと、眼圧上昇をともなう肉芽腫性炎症が合併するため、第一選択にはなりにくいとのことでした。局所放射線療法は再発率が高いため、最近はあまり行われていないそうです。全身化学療法については専門家の間でも意見が分かれているそうです。

症例呈示
 急速に全身に播種した眼内T細胞リンパ腫の症例を呈示し、IL-10/IL-6の定量はB細胞由来のリンパ腫にのみ有用であるため、陰性例では注意が必要ことを強調されていました。また、前房水は硝子体に比べて細胞診の精度が高いことを紹介されていました。続いて血管炎で発症した症例や視野異常で発症した症例を呈示し、眼内悪性リンパ腫の臨床像は多様であるため診断は困難であることを述べていました。また、ステロイドに反応しにくいもしくは再発しやすいぶどう膜炎では常に悪性リンパ腫を念頭に置くべきであること、中枢神経への転移がおおいため、診断がついたらすぐに脳外科や、血液内科に相談することが重要であることを強調していました。


2015年4月15日 (水)

第405回 大阪眼科集談会に出席しました。(2)

7席 「深達OCTで観察可能であったBDUMPにおける網脈絡膜の構造的変化
穂積 健太先生(阪大)
 癌関連疾患のひとつであるdiffuse uveal melanocytic proliferationの症例を供覧されていました。本疾患は悪性腫瘍患者に生じるまれな疾患で、RPEの不整と漿液性網膜剥離を生じ、OCTではBruch膜は保存されるがRPEの不整と脈絡膜に内部信号が不均一な肥厚を認めるとのことでした。病理組織学的には脈絡膜にびまん性のmelanocyteの増殖を生じるのにもかかわらずOCTでは内部信号が不均一である点が病態を考える上で興味深いとのことでした。転移性脈絡膜腫瘍や脈絡膜悪性黒色腫との鑑別方法が興味深いと思われました。

8席 「ステロイドで軽決と増悪を認めた網膜分離を伴う多発性後極部網膜色素上皮症の1例
佐藤 孝樹先生(高槻赤十字病院
 白血病に骨髄移植を行ったために生じた移植片対宿主反応に対してステロイドを使用したところ、ステロイドの使用量に相関して網膜分離を伴う多発性後極部網膜色素上皮症を生じた症例を供覧されていました。網膜分離は視神経乳頭辺縁からの滲出性変化により生ずると考察されていました。

9席 「アフリベルセプトによる未治療出型加齢黄斑変性に対する治療反応性の検討
大中 誠之先生(関西医大
 未治療の出型加齢黄斑変性に対してアフリベルセプト使用し、反応が良好であった症例を検討されていました。ポリープ状脈絡膜血管症ではアフリベルセプト導入期に反応が良好であった例はその後の経過も良好でしたが、典型的加齢性黄斑変性では経過の予測が困難であるとのことでした。

10席 「多根記念眼科病院網羅的PCRシステムにて診断・治療モニターできたアカントアメーバ角膜炎
井上 智之先生(多根記念眼科病院
 愛媛大学と共同開発された感染症網羅的PCRシステムについてアカントアメーバ角膜炎を中心に解説されていました。アカントアメーバ角膜炎ではPCRによる定量と臨床的な病勢とはよく相関し、非典型例の診断に有用であるとのことでした。一方で、角膜内皮炎では臨床的には沈静化している場合にも、前房水からはウィルスが検出されるため、薬剤の原料には注意を要するとのことでした。

 続きは4/18頃アップロードの予定です。

2015年4月11日 (土)

第405回 大阪眼科集談会に出席しました。(1)

45日に第405回大阪府眼科集談会に出席しました。講演は第3席から聞くことが出来ました。以下、講演の印象を書いてゆきます。おかしなところがありましたらコメントもしくはメールにてご連絡いただければ幸いです。

3席 「豚眼を用いた角膜内皮移植術中の眼圧変化とBUSIN glideの閉鎖腔化の試み」
米澤 昂先生(大阪医大)
 角膜内皮移植術中の眼球虚脱を予防するために、I/Aのスリーブを用いてBUSIN glideの閉鎖腔化を試みたとのことです。豚眼を用いた実験で眼球虚脱を予防でき、臨床で5例に試みたところ、眼球虚脱を予防できたとのことでした。閉鎖腔化が少し面倒な様子でしたので簡便なキットが商品化されればと感じました。

4席 「ヘッドマウント型視野計による両眼開放視野測定」
山雄 さやか先生(近大)
 開発中のヘッドマウント型視野計を紹介されていました。両眼を開放した状態で使用できるため、片眼が固視することが出来なくても使用可能などの利点があるとのことです。ハンフリー静的量的視野計との同等の性能があるため、往診などに活用できるのではないかと考えました。


5席 「Acute macular neuroretinopathy (AMN)の1例について
春田 真実先生(JCHO大阪病院)

 黄斑に暗赤色で花弁状の病変を生ずるまれな疾患であるAcute macular neuroretinopathyを報告されていました。静的量的視野検査では中心感度の低下し、病変はFAでは低蛍光を呈し、OCTでは外顆粒層から視細胞層にかけて高信号でelipsoid lineが不明瞭になっていたとのことです。病態には循環障害、ウィルス感染による網膜視細胞層の障害が関与し、MEWDSの類縁疾患であると考えられるそうです。

6席 「原田病の回復期に脈絡膜浮腫の増減がみられた2例
塩地 麻裕華先生(泉大津市立病院
 深達OCTを用いてVogt-小柳-原田病を経過観察したところ、脈絡膜に一時的な肥厚を認めた2症例を供覧されました。この所見の臨床的意義は今後の課題とのことです。高深達OCTを利用することにより炎症の再燃を予測することができれば、と思われました。

続きは4/15頃アップロードの予定です。


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